初心者こそ専門店へ!!
私の言う「専門店」は…
「観賞魚を売っている店」「園芸品を売っている店」ではありません!!
観賞魚店・園芸店は“専門店”ではない
一般的な観賞魚店・園芸店(以降:一般店)は様々な品種を取り扱っているため、1つの店舗に行くだけで、色々と買えるのは非常に便利で楽です。
当然、店舗ごとに『得意な系統』『苦手な系統』『力を入れている系統』『売れるから置いているだけ』など取扱い商品の中にも大きな振れ幅があります。
『苦手な系統』は取扱いをやめたくても、「近隣ではここしかなかったのに」「品揃えが悪い(悪くなった)」など口コミに書かれます。店内も閑散とするため『見栄え目的』『品揃え充実目的』の仕入れをしなければなりません。
また、『苦手な系統』『売れるから…』は非常に中途半端な管理、知識になっており、図鑑に載っているような一般的な管理方法や自店舗の管理方法以外は答えられません。
一般観賞魚は日本淡水魚全般、日本原産貝類、小型色揚げ系魚類、エビ類、浮葉植物、抽水植物を苦手にしているところが意外と多い気がします。
一番売れていく商品を中心にすると、管理しにくいから仕方ないかもしれません。
園芸は「ガーデニング」が主流のため、洋花が主力になっています。
日本原産種は全商品中1割もない店舗がほとんどです。日本原産種は意外と難しいのも理由です。(毎日手入れすると腐るし、忘れると枯れる)
蓮・睡蓮は、同系列でも店舗間の差が激しく、大半の店舗は酷い状態。品種不明、曖昧な物が多く、特定の品種を求めるには向いていません。
逆にビックリするほど状態の良い店舗もあります。(凄い店員さんがいる店はほぼ全商品が良い!)
≪実体験として…≫
ず〜っと昔の素人時代の話ですが…
大手さんで、日本淡水魚と日本原産の貝を「こういう状況の池で、これらを育てたいのですが、注意点はありますか?ある程度のサイズの入荷予定ありますか?」と聞いたところ、「水槽以外での育成は自己責任です。ご質問にもお答えできません。」という返事をされたことがあります。
日本淡水魚店(『専門店』)は、対応が全然違いました。
池の形状、水量、現在の飼育魚、飼育数、そのサイズ、ろ過方法、購入予定魚種の目的…
その種の細かい特徴や性質、水槽内と自然界での性格や食性などの違い、他のおすすめの品種、まったく盲点だった点、注意点やこれから起こりうる問題と対応方法…
事細かに教えてくれます。
この差です!
この差で興味を持ち始め、今に至っています。
園芸と一括りでまとめるのはかなり雑で、多肉植物、食虫植物、サボテン、ヤシ、盆栽など専門分野があります。
『農家』と言っても色々あるのと同じです。(水草生産者も『農家』です。)
蓮・睡蓮の専門店はかなり少なく…
大分のM様、高知のK様、その他も取扱う大手ではA様は植物全般(蓮は自社作出)、I様は山野草系、T様は植物全般(睡蓮を自社作出)が有名です。
観賞魚系はどんな専門店があるのかというと、○○好きな店主さんの数だけあります。
ジャンル | 代表種 | |
大型淡水魚 | アロワナ、淡水エイ、 肺魚、古代魚など |
魚種ごとの専門店が多い |
中型淡水魚 | エンゼル、グラミー、シクリッド スネークヘッド、ディスカスなど |
産地ごとに特化した専門店が多い (アフリカ○○・南米○○など) |
小型淡水魚 | グッピー、ベタ、外国種メダカなど | 高グレードは専門店兼ブリーダーが多い |
日本淡水魚 (冷水魚) |
アマゴ、イワナ、ヤマメなど | 非常に少ない 食用養殖業者が小売していることも |
日本淡水魚 (一般種) |
ウグイ、オイカワ、オヤニラミ カマツカ、ツチフキ、ヨシノボリなど |
専門店はかなり少ない 湖、沼の多い地域に多い |
日本淡水魚 (タナゴ系) |
タナゴ全般、二枚貝 | 専門店は少ない ブリーダーが主 |
メダカ | 改良種 | ブリーダー兼店舗が多い 名前だけ店舗も多いので要注意!! |
錦鯉 | 錦鯉 | 養魚場の名が多い 日本淡水魚(一般〜タナゴ系)も強い |
金魚 | 国産種 | 東京、愛知、奈良が強い 長物、和金などで細かく分かれる |
金魚 | 外国産種 | 外国種は別扱い |
エビ系 | チェリー、ビー | 専門店の数は少ない 専門店、ブリーダーが主 |
海水魚 | 海水魚専門 | あまりない |
水草専門 | 植付け済流木・石、組織培養 水草マット(芝生状)など |
水草(メイン)水槽 レイアウト向きの水草 |
特殊植物 | アグラオネマ、アポノグトン、 クリプトコリネ、ニムファ、ブセ ベゴニア、ホマロ、食虫植物など |
水槽は植物のための入れ物 珍種はブリーダー、海外採取者物が主 |
蓮 (一般) |
園芸品種 | 基本的に生産農家 卸売りが主、直販は通販 |
蓮 作出・研究者 |
原種系、新品種の作出 | 生産農家や学者 遺伝子レベルで研究している |
睡蓮 (一般) |
園芸品種 | 基本的に生産農家 卸売りが主。直販は通販。 |
睡蓮 作出・研究者 |
原種、新品種の作出 | 遺伝子レベルで研究している学者 海外の作出・研究者と繋がりが深い ・海外新種を日本に初めて持ち込む |
このような感じで、専門店があります。
その品種だけ取り扱っている店舗もあれば、同じ育て方でイケるからと別種も取扱う店舗もあります。
専門店はグレード、選別眼、管理状態、健康状態…何もかも次元が違います。
ただ、ただスゴいとしか言えないレベルです。
○○好きな人=仲間
専門店は店主さんも店員さんも、その品種が大好きです。
その品種に興味を持とうとしてくれる人や、飼っている人を大切にします。(○○仲間!!)
例え『観賞魚人気ランキング』に入っていない魚でも、「自分と同じコアなファン、未経験でも興味を持っている人に…」と『品揃え重視』『売れ筋重視』を捨てているような、店主さんにハズレはないと思います。
専門店は知識量が半端じゃない!!
知識量も経験も半端じゃありません。
そのためどこの店舗で買おうが、細かく状況を聞いたのち「ここはこうした方が良いかもしれません」と言うアドバイスを頂けます。具体に「これはどうでしたか?」など聞いてくれますし、「これは調べました?これが○○なら…」と次にやるべき事を教えてくれます。
「○○が飼いたいけど…素人だし、諸事情(水槽場所・財布事情などで)飼えない」と言うことを相談すると「××は○○に似ていて、飼い易い種だから練習に良いかも」などのアドバイスをくれたりもします。
専門店は質が違う
専門店は知識が凄まじいうえに、設備をその品種のためだけに整えています。
仕入れ時の選別眼、仕入れ後のトリミング、体調回復〜好状態の維持…
珍種の場合は、自ら海外へ仕入れに行くことも普通にあります。
わかりやすい例として…
錦鯉・金魚の愛好家は、どんなに低グレードでも一般店で購入しません。
錦鯉・金魚専門店と一般店では、グレード選別ライン、トリートメント(入荷時からの回復)、健康状態、エサ慣れなどで大きな差があります。
専門店=高い=実は安くつく
同品種でも専門店の価格は一般店の倍近くすることがあります。(グレードが全く違います)
1.それだけその個体に手間暇を掛けているから
(一般店はコストカット=手を抜く)
2.パッと見は同グレードでも、後々差が出る(鯉、金魚に良くある)
3.認定書などが付いた個体
などが高い理由です。
健康状態などが全く異なるため、自宅に迎え入れてから健康な状態に戻すまでの間で、専門店で買った方が安くつきます。
これは他の魚種、エビ、水草だけでなく蓮・睡蓮にも共通して言えることです。
専門店の方が安い場合も
わかりやすい例として鯉、金魚、メダカはかなりグレードが分かれます。
鯉は300円程度から2億まで…。
このグレードの選別の基準が「専門店と一般店は同じか?」と聞かれたら…
「確実に違うと思う」と答えます。
実際の話、観賞魚卸問屋とメダカ専門店で仕入れたことがありますが…
けっこう異なります。同グレードの時もあれば、1〜1.5グレード違う場合もあります。
「専門店=マニアックな超上級者向き」のイメージがあるかもしれませんがそんなことはありません。
専門店だから初心者でも…
・特化した用品あり
・手を出しやすい用品あり
・飼い方をしっかり教えてくれる!
・余計な物は買わずに済む
経験を積み、慣れてくると「そこら辺の安い店で買っても良いんじゃ?」となりますが…
上級者以上になると、また専門店に戻ってきます。
何かの専門店か?と聞かれたら…
「違います」と答えます。
蓮・睡蓮の本物の専門店さんは研究者さん、学者さんです。
そのような人たちには、とてもじゃありませんが足元にも及ばない…
好きだからこそ思うのは…
蓮・睡蓮は極められない。ムリ!
植物も魚も好きだからこそ、その命を取り扱うものとして…
・自信を持って飼育出来る品種以外取扱いたくない(苦手=その生き物にとって過酷)
・図鑑を見て「これで育つ」と浅い知識で販売はしたくない
・品揃え、知識などで見栄を張るつもりもない
逆に、
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