熱帯睡蓮の育て方
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開花時期 | ||||||||||||||
株分・植替 | ||||||||||||||
肥料 | ||||||||||||||
越冬 |
熱帯睡蓮は、冬季管理、植替え・植付けの時期が温帯睡蓮と異なるだけで簡単に育てられます。ほぼ、温帯睡蓮と同じ育て方です。
開花時期は7〜10月中旬までと温帯睡蓮に比べて短いですが、花上り、耐暑性は温帯睡蓮を軽く上回ります。
生育に適した水温は25℃以上です。15℃を下回ると生育が止まります。
育成自体は20℃以上あれば問題ありません。(品種による)
設置場所の絶対条件
1.陽当り良好(直射限定)
西日が当たると水温が下がらない
カーポート下はダメ(元々、車を紫外線などから守るもの)
2. 風通しが良い
水温が上がりにくくなる
害虫が付き難くなる
3.容器下は土が好ましい
コンクリ、アスファルトは高温になる
(ブロックを入れ通気性を上げるなどの工夫が必要)
この条件が必須です。
1.外容器 丸型(楕円も可)
角型は破損しやすい(水、底床の重量で長辺が割れやすい)
2.外容器 サイズ
φ30cm以上(小型)
φ40cm以上(小〜中型)
φ50cm以上(中〜大型)
3.内鉢
4〜6号以上(品種による)
小型化させ管理しやすくなる
向いていない容器
・ 口の返しが内向き ⇒ 茎が傷む
・ 浅すぎる容器 ⇒ 水切れが起きやすい
・ 深すぎる容器 ⇒ 球根に日が当たらない
ある程度の強度があれば、プランターカバーでも十分です。
園芸サイトやブログを見ると「睡蓮は蓮と同じく、田土、荒木田土、赤玉土(練り潰す)を用土にする。腐葉土を入れ、しっかりと練り合わせる。土の締まり、保肥力が高いため粘土質の底床が良い」と書かれています。
お勧めしません!!
まだ荒木田土のみを用いた方が良いでしょう。
土を寝かせて、正しい土づくりが出来るのであれば上記の方法も問題ありません。
また、睡蓮を育てるために、蓮と同じ土は必要ではありません。
硬質赤玉土や水槽ソイルを用いた育成も可能です。
〇利点
・通水性がある
ガスの排出性が高い。根腐れしにくい。
酸素供給、微生物の活着によるろ過能力がつく
×欠点
・隙間が多く、養分が流出しやすい
・隙間から害虫(赤虫)が入る場合あり
当社では、水槽にも使用可能な自社製品『オリジナル粒状土』を用いています。
<気温・水温>
最低気温が15℃以上になってから植え付けます。(20℃以上が良い。)
<内鉢について>
内鉢を用いる事をおすすめします。
元々、熱帯睡蓮は温帯睡蓮の大型種とよりも遥かに大型です。(葉のサイズ、葉を展開させる範囲)
そのまま容器に植え付けると、本来の大きさになってしまい、一般家庭で育成するには確実に手に余ります。
深い容器でも、内鉢を用いることで、球根を水面近くに上げられるので陽が当たりやすくなります。
<直植え>
φ1m近い大型浅型容器がある場合、直接植え付ける事で本来の姿を楽しめます。
花上り(開花数)の向上、花本来の特徴(花弁数など)が出る、翌年の球根収穫量も増えるなど、多くの利点があります。
品種によっては「やめておけば良かった…」ということになります。
当社では大型容器に直接植付けているため、取扱い品種は絞っています。
※ 肥料切れは絶対に起こさないように!!
肥料切れを起こすと、小さな葉が大量に出るだけで水上葉すら出さない状態になり開花しにくくなります。
1.化成肥料を使う
有機肥料は超上級者向け(腐敗する ガスが出る)
液肥は絶対ダメ!!(即効性で藻を育てるだけ)
2.高配合率は避ける
肥料あたり(根腐れ)を防げる
(まるやま1号はおすすめ)
3.基肥はない方が良い
球根に葉(根)を出すための栄養が蓄えられており、必要はない。
葉の枚数が増えてからの施肥で問題ない。
4.追肥は少量をこまめに
様子を見ながら少量ずつ
5.夜咲きは気持ち多めに
熱帯種の1.2〜1.5倍くらい?(私的感覚)
6.お礼越えは不要
冬季の休眠時に腐敗の原因になる
〜 化成肥料をすすめる理由 〜
有機肥料は微生物が分解することで養分になります。この分解行程で大量の酸素の消費、有毒成分の発生が起きるため、メダカなどの生き物だけでなく睡蓮にも悪影響を及ぼすことがあります。
また、越冬時の休眠で腐敗のリスクが出るのも有機肥料です。
種類により異なりますが、大体の種は水深10〜30cm以内です。
色々なバランスを考えると難しく何とも言えないのですが…
睡蓮は水深は浅めを好みます。
確かに好みますが…
容器の形状、水切れなどを考えると、浅めの育成は難しいです。
水温、水質の変化も激しくなります。
逆に深いと、株元に日光が当たらないため成長、花上りが悪くなります。
注意!!
一部の品種は最低水深が決まっています。浅いと数年間の休眠に入ります。
(ギガンティアなどは1mは欲しい…)
睡蓮は根に栄養を蓄え、その栄養を使い葉を出します。
「伸びすぎたから…」と葉をカットしてしまうと、根の栄養がなくなりスカスカになり枯れてしまいます。
葉がしっかりと伸び光合成を行う事で、根に栄養が蓄えられます。
場合によっては球根が死んでしまいます。
黄色くなり枯れ始めた葉や、腐り始めた葉は刈り取ってしまっても問題ありません。エビ、貝類がいない状態では腐敗の原因となります。
花の終わった花柄も刈り取ってしまって構いません。回収しないと種から実生がたくさん出てきます。
その品種、子株の取り方、好みのやり方により増やし方は異なります。
温帯種に比べ、増やし方は数種類あります。
〜 球根の増やし方 〜
<株別け型>
球根を増やして、株を増やします。
ニンニクのように植え付けた球根(親株)に新たな球根が出来るイメージです。(ニンニクまで近くにポコポコとは出来ません。)
大きな球根から小さな球根まで採ることが出来ます。
ニンニクよりも簡単に剥がれるため、採り残しに注意して下さい。
<ランナー型>
上記とほとんど同じですが、植え付けた球根から真横にランナーが伸び子株を作るタイプです。
「こんなところに残ってた」となる事があります。注意してください。
〜芽からの増やし方〜
<発芽点の切り取り型>
球根から根や茎を出すタイプ限定の増やし方です。
発芽点(成長点)が根を張り、葉を茂らせた後、切り取り植え付けます。
あまり切り取り過ぎると、球根の栄養を使い果たし球根が死んでしまいます。
<ランナーカット型>
成長茎を出すタイプ限定の増やし方です。
成長茎がしっかりと根を張り葉を茂らせた後に、切り取り植え付けます。
あまり切り取り過ぎると、球根の栄養を使い果たし球根が死んでしまいます。
〜特殊な増やし方〜
<ムカゴ型>(葉ムカゴ種)
一般的に「ムカゴ種」と言えば葉にムカゴを作る品種。
葉の中心部(空気を取り入れる部位)にムカゴを作ります。
殖芽が根を張るのを待ちます。
越冬時は休眠させるか、陽当たりの良い暖かい室内で浮辺ておきます。
つぼみにムカゴを付ける『N.prolifera(プロリフェラ)』という南米原産種もあります。
どちらが難しいかと聞かれると…どちらも一長一短です。
好みの問題としか…
〜 冬場 〜
管理方法が全く異なります。
温帯は凍結地域、積雪地域以外は放置しても大丈夫です。
熱帯は室内管理の方が必須です。一部品種、一部地域はそのままでも越冬可。
冬場の管理は、完全に温帯睡蓮の方が楽です。
〜 夏場 〜
夏場は温帯睡蓮が調子を崩すことがあります。
日本の高温多湿は温帯睡蓮には暑すぎます。
熱帯睡蓮は絶好調の時期になり花上りも非常に良いです。
夏場の管理は、完全に熱帯睡蓮の方が楽です。
〜 株分け・繁殖 〜
温帯種は株分けが必須です。放置していると脇芽を出し過ぎ、陽当たりと肥料の奪い合いで花上りが極端に落ちます。
熱帯種はその品種によるとしか言えず…
ざっくりなイメージでは、ムカゴ種はムカゴ、ロータス系と南米系はランナー、アジア種は株分けが主な繁殖方法です。(細かくは書ききれません)
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