メダカの育て方は多くの理論があります。
1Lに対し何匹入れるか…
エアレーションの必要、不必要…
底砂・土の有無…
これは地域、気候、水質、育成場所等に因る気もします。
あとは好みの問題かと…
「どんなメダカを飼うか?」で、飼い方が変わってきます。
メダカは、基本的に上から見ると奇麗さがよくわかる魚です。
幹之系などの背中に特徴のあるメダカを、ガラスの水槽で横から見ても「ただメダカがいる」という感じで、良さはまったくわかりません。
水槽で横から見る場合は
楊貴妃系、スワロー(ヒレ長系)、オロチ(真っ黒系)等に限られてきます。
1Lに1匹の割合での飼育理論が一番多く感じます。
多い場合は2Lに3匹、3Lに5匹という意見の人もいます。
あまりにも過密状態で飼育すると、水質悪化が早くなります。エサの奪い合いで負ける魚、ストレスにより病気になる魚が出てきます。
~深すぎても意味がない~
メダカは水面付近を好む魚です。
水面積を確保しなければ、いくら水量が豊富でもストレスがかかります。
「最初は小さい方が…」と考えがちですが、真逆です。
「最初だからこそ」「手を掛けられないからこそ」大きい容器をお勧めします。
〇メリット | ×デメリット | |
小さい | 安い 軽い(移動が楽) 掃除等管理が楽 |
水温変化が急激 水質変化が急激 掃除が頻繁に必要 水替えが頻繁に必要 → ストレスが大きい |
大きい | 水温・水質の変化が穏やか 植えられる植物の幅が広い 水替えが頻度が少なくて済む → ストレスが小さい |
少し高価 場所を取る 重い(移動が大変) 本格的な掃除等は大変 |
小さな容器は生産者、超上級者向きです。
小さい容器ほど、緩衝性がないため全滅に直結しています。
特に夏場はすぐに悪化します。
毎日交換用の水作りが必要です。
1日でもサボれば…大変なことになります。
容器が小さければ、旅行などにも行けません。
一般的に出来上がった水を「やわらかい水」「古い水」などと表現します。
水道をひねって出た直後の水は「かたい水」「新しい水」などと表現します。
基本的に…
河川上中流域の魚「かたい水」「新しい水」を好む
下流・池沼系の魚「やわらかい水」「古い水」を好む
一般的にビオトープに用いられる魚種は、下流・池沼系です。メダカも下流・池沼系です。
作り方は魚種、地域、店舗によりますが…
カルキを抜いた水に、飼育水を少量入れ、2~5日前後放置します。
急ぎの場合、カルキを抜いた水にバクテリア剤を多めに添加し、日に当て(温め)ながらのエアレーションで1~2日で作れます。
勘違いされがちですが…
RO浄水器(逆浸透膜浄水器)は重金属とカルキを除去するだけで、水は出来ません。
より良い水を作るための浄水器です。
水道水を用いる場合、ただ汲み置きするだけでは塩素は消えません。
ハイポの使用や、日光の紫外線でカルキを揮発させます(2~3日)。
地域、季節、数日前の天気に因って、水道水に含まれる塩素の量は変わります。
特に、水不足時、大雨の増水時、台風に後などはカルキの濃度が上がります。
夏の水替えで最悪なパターンは…
暑さで水質悪化し魚の調子が悪い |
↓ ↓ ↓ |
塩素が抜けきっていない水 出来上がていない水 を入れる |
↓ ↓ ↓ |
水質激変 さらに悪化 |
↓ ↓ ↓ |
再度水替え |
↓ ↓ ↓ |
全滅 |
カルキが直接エラなどを攻撃する害もありますが、フンなどと化学反応を起こしてできる有害物質の害もあります。
水づくりに日数がかかるのは、有害物質を微生物に分解させるという理由もあります。
一般的には…
〇メリット | ×デメリット | |
荒木田土 | 栄養分が豊富 水草の育成には最高 タニシ、エビにも良い バクテリアが繁殖し水質浄化 病気の前に泥で洗う |
栄養分が豊富で維持が難しい グリーンウォーターになる |
赤玉土 | 安価でコスパが最高 手に入りやすい 水草の育成に良い 自然な色合い 多孔質でバクテリアがつく 水質を浄化する 有害物質を吸収する |
崩れやすく濁りやすい (2~3日で綺麗になる) 弱酸性で管理しやすい |
大磯砂 | 和の雰囲気が出る 価格が安い 手に入りやすい 底面フィルターと相性が良い 色が揚がる |
アルカリ性があまり良くない バクテリアが繁殖しない (少ない) 肥料が必要 植物は育ちにくい |
砂 | 水質変化が少ない 植物を植えやすい |
水質維持にフィルターが必要 |
ソイル (水槽用) |
水草を育てる用の底床 適度に養分があり育てやすい 弱酸性で安定する |
安価ではない 崩れやすく長時間は不向き 室内向き |
ベアタンク 底床なし |
掃除がしやすい | 水質が安定しない おすすめしない |
と言われています。
実際のところ…ウソが多すぎまして…
〇メリット | ×デメリット | |
荒木田土 | 養分がない 蓮・睡蓮を育てるには向いている (使うメリットがない) |
蓮・睡蓮以外に使う意味はない 濁る 器具が使えない 嫌気状態になりやすい 病気になりやすい |
赤玉土 | 養分がない 荒木田土以上に中途半端で使えない (使うメリットがまったくない) |
すぐ崩れ、多孔質ではなくなる 濁る 器具が使えない 嫌気状態になりやすい 病気になりやすい |
硬質赤玉土 | 崩れにくい バクテリアがわきやすい 濁りが出ない 植物も育つ |
赤玉土よりも高価 崩れないわけではない |
大磯砂 | 半永久的に使用可能 バクテリアがわきやすい 濁りが出ない 植物も育つ |
重い 立上げに少し時間がかかる 色揚げ効果はない |
砂 | 大磯砂のメリット半減版 | 器具が使えない 大磯より安定しない 目詰まりを起こしやすい |
ソイル (水槽用) |
優秀 自由にタイプを選べる (水草用・長期維持用) |
安価ではない 2年ほどで崩れる |
オリジナル 粒状土 |
水槽用2/3~1/2程度の価格 不純物がない 有害物質が発生しにくい |
2年ほどで崩れる |
ベアタンク 底床なし |
メンテナンスしやすい 余計な物がない分安定する |
メンテナンスが必須 |
太字-おすすめ
底床が入っている方が水質は安定しやすくなります。
ですが、逆に悪化してしまうと悪化した状態で安定してしまいます。リセットにも時間がかかります。底床の総入替+殺菌消毒が必要です。
各地域の水質の関係で「硬度を上げたい」「pHを上げたい」などもあるため、好みとしか言いようがありません。
ほとんどの生産者、ブリーダーは親を小型容器でベアタンクで育成します。
オリジナル粒状土は自社商品です。詳細は『オリジナル粒状土』をご覧下さい。
一般的に「5~10分で食べきれる量を与える」とされています。
自分は、調子を見ながら、いつも食べる量を感覚的に与え、まだ欲しがっているなら、また少し与え…といった感じです。暖かくなり始めてから産卵期終了までは、1度の量を減らし、少量を1日複数回与えています。
高蛋白な餌ほどよく食べてくれます。が、水はその分すぐに汚れます。
安価な餌ほど蛋白質が少なく食いつきがよくありません。余ればすぐ腐ります。
開いた容器を利用し、ミジンコやボウフラを繁殖させるのも手です。
メダカは日光浴が大好きな魚です。
日光によりビタミンA、Dを生成するとされ、健康的に育つとされています。
しかし、夏はあまりにも長時間日光に晒してしまうと水温が上がり過ぎます。
蓮も同じくダメージを受けるため朝~昼の日当たりは良く、西日は当たらない場所をお勧めします。
天然のメダカも午前中は見つけやすいのですが、午後は物陰に隠れなかなか見つかりません。
また、西日の当たる場所より午前中に日当たりが良い場所に多くいる印象です。
西日は好きではないのかもしれません。
「水草は100%必要」だと思います。
水草によっては、水草に産卵するため、採卵する際に少し手間がかかります。
詳細とおすすめの水草は『水草のページ』に記載してあります。
『グリーンウォーター=アオコ』と紹介しているサイトもありますが、完全に別物です。
知らない人から見ると…
「緑色で濁っていて汚い」という水です。
確かに見た目はただの汚い水ですが、魚や貝にとっては最高の環境です。
魚からしてみると、エサの中で泳ぎ回り、外部から見えないよう隠してくれる水です。
グリーンウォーターはイメージと違い悪臭はしません。
藻類の種類や割合により、薄い緑、濃い緑、少し茶色っぽいなど様々です。
薄いグリーンウォーターの作り方は、容器に水を張り、日光に数日間当てるだけで簡単に作れます。
液体肥料を入れると濃いグリーンウォーターが作れますが、失敗する可能性もあります。
ミラクルバクテを使うと作りやすくなります。
欠点としてはヤゴなどの天敵が混入していても、気が付きにくい点があります。
『グリーンウォーター=アオコ』と紹介しているサイトもありますが、完全に別物です。
アオコの特徴は…
・水面が泡立つ
・水面が粉っぽい
・水面の藻のくっきりグラデーションが入る
というのが大体の特徴です。
酸欠状態にさせるだけでなく、魚、植物に猛毒物質を発生させます。
人にも有害で気管支炎、肺炎の原因になります。
見つけ次第すぐに、掃除と水の入れ替えをして下さい。
酸欠、流れがない状態で発生しやすくなります。
風に運ばれる、鳥獣が持ち運ぶため、100%の予防は出来ません。
「管理する時間はなかなか取れない」という方に、自分のおすすめの方法です。
場所 | 室内 | 屋外 |
水槽 | 45cm規格水槽 60cm規格水槽 |
プラスチックコンテナ トロ舟 |
ろ過方式 | 底面ろ過 | エアリフト式底面ろ過 |
底砂 | ソイル | 硬質赤玉土・大磯砂 |
照明 | 水槽用LED照明 | 太陽光 |
バクテリア | ミラクルバクテ | |
沈水性水草 | マツモ、クロモ、ホザキノフサモ | |
浮遊性水草 (産卵床) |
アマゾン・フロッグピット、サルビニア・ククラータ (屋外飼育は冬季のみ室内へ) |
|
エビ | ミナミヌマエビ、ヤマトヌマエビ(藻が増えたとき) | |
巻貝 | カワニナ | タニシ、カワニナ |
ろ過器からの水流が強い場合、エアで調整するか、水草を使い水流を分散し、流れが弱いところを意図的に作ってあげます。
底面ろ過のウールマットは不要です。底床がろ材です。
バクテリアは安価な物でなく、高価な物を使うと、水質維持、生体の健康維持がまったく変わってきます。ここだけはお金が掛かります。
水草は、常緑で、暑さにも寒さにも強い国内種を入れます。水質浄化能力は抜群です。
メダカは環境の変化や、過密飼育によるストレス、細菌が繁殖し過ぎた水などで病気になる場合があります。
様子がおかしい個体を見つけた場合、速やかに別容器に移し確認してください。
●ヒレが切れていないか? - 尾腐れ病
●鱗が逆立っていないか? - 松かさ病
●体に白い点がないか? - 白点病
●体に白い綿が付いていないか? - 水カビ病
発見した場合の例
他の魚もしっかり確認してください。その魚のいた容器の水を換えるようにして下さい。
メチレンブルー液に塩を1~3%入れ沐浴させてください。急激な水温・水質の変化には注意してください。1日目は餌は与えません。2、3日で食欲がありそうな場合少量のエサを与えて下さい。
メチレンブルーは日光により分解されてしまうため毎日水の交換が必要です。
1週間ほどで治る可能性があります。
体が小さいため発症から致死レベルになるまで時間が短く、発見した時には間に合わないことがあります。
「早期発見・早期隔離・早期点薬」が治療、感染防止になります。
旅行などで数日間、家を空けてしまいエサがあげられない時もあるかもしれません。
大きな容器で育成していれば問題ありません。
水さえ出来ていれば1週間程度ならばエサを与えなくてもある程度大丈夫です。
もし、不安であればタイマー式自動給飼器を使用するのが確実です。
必需品、あると便利な飼育用品です。
必需品 | |
飼育容器 | |
選別用網 | 目が細かい方が魚が傷つかずに済む |
ハイポ | 水道水のカルキ抜きに 塩素系漂白剤の後処理に |
バケツ | 様々な用途に使用 |
エアホース | 水替え、水合わせ、エアレーションに |
エアストーン | 水合わせ時の錘・水流抑制にも |
魚の薬 | 新規の魚のトリートメント、病気、卵の保護に |
あると便利 | |
掃除ホース | 交換する水量によってはあると楽 |
耐藻ホース | 掃除ホースの先に付ければ水撒きも、直排水も |
小型ケース (タッパー可) |
卵・子魚・薬浴の隔離容器に使用 透明容器は選別にも使用可能 |
水温計 | あった方が安心 |
はかり | 塩水浴の際に使用 |
すだれ | 日除け用(他の物でも可) |
発泡スチロール | 断熱保温効果 |
食器スポンジ | 掃除が楽に。軟らかい方使う! |
塩素系漂白剤 | 衣類用が使いやすい 容器のリセットに!特にアオコ! |
木酢液 クエン酸 |
消毒・水垢落としなど用途は色々 |
水槽は専門店での購入がお勧めです。
安価な物ほど壊れやすく、経年劣化も激しいためお勧めできません。
バケツなども含め、あると便利な物は100均やホームセンターで簡単に揃えられます。
〒273-0003
千葉県船橋市宮本7-7-1
TEL.047-460-1760
FAX.047-460-1761